J.M.Weston 641 Golfのサイズ選びと購入するまでの話
J.M.Westonの魅力と購入する覚悟
清水ダイブ
何度もお伝えしている通り、ぼくは革靴が大好きです。
特別な何かのきっかけはありませんでした。
革靴が風合いを増していくような、ゆったりとしたペースで、その魅力にジワジワとのめり込んでいったと思います。
最初に自分で買った本格革靴は3万円くらいだったのですが、それでも清水ダイブの思いで購入していました。
そして数年後。
その4倍の値段である、12万円の革靴が手元にあります。
清水の4倍、どこからダイブするべきか。
究極のスタンダード。
その革靴こそ、かの有名な高級革靴ブランド、J.M.Westonの代表モデルである641 Golfのブラックでした。
JMwestonの革靴は、”究極のスタンダード”と呼ぶべき、完成された魅力があります。
代表的なモデルである、180ローファーにせよ、641Golfにせよ。
言ってみれば、ただのローファーとただのUチップシューズで、何も特別なデザインはありません。
シンプルなデザインの革靴を探そうと思って、他のブランドを探しましたが、
J.M.Weston以上に魅力的なシンプルさを持った革靴はありませんでした。
目立つことを極端に嫌う神経質男子。
ファッションにおいて、シンプルであることは絶対条件。
そんなぼくにとって、シンプルを極めたJ.M.Westonはたいそう魅力的に見えたのでした。
幅広いサイズ展開。
JMWestonは他の革靴ブランドに比べ、サイズ展開が非常に細かいことで知られています。
具体的に言うと、靴の長さに加えて、横幅サイズも選べるんです。
例えば、長さを8(27cm相当)のサイズを選ぶのに加えてA~Fのウィズ(横幅)が用意されていて、8Bとか、8Cといったサイズが選べるってこと。
(幅はAが最も細く、Fが最も広い)
つまり、
「長さは丁度いいけど、幅が広くてガバガバになってしまう…」
「靴の幅が細すぎて履けない…」とか、
そういったサイズ選びの悩みへの心配が不要ということ。
自分も革靴のサイズ選びに酷く苦しめられた一人。
ちょっと変わった足の形をしているがゆえ、気に入った靴もサイズを間違い、泣く泣く手放したり…
そんな経験をしてきたからこそ、J.M.Westonの細かいサイズ展開は、購入の決め手としては十分過ぎるのでした。
J.M.Westonはレディースサイズの展開もあるので、女性にもオススメしたい靴ブランドです。
このタイミングしかない。
2019年10月。
皆さまご存知の通り、消費税が10%に上がりました。
生活に直接影響してしまう増税として、世間は色んな温度感で湧き上がりました。
そんな中、ぼくが考えていたことといえば。
”J.M.Westonを買うなら今じゃないのか?”
ということ。
J.M.Westonの641ゴルフは12万もする代物。
消費税が2%でも上がるとバカになりません。
今しかない。
10月までにJMwestonの購入を決意した、アラサーの2019年の夏でした。
ちなみに、ぼくの脳は物欲制御機能がぶっ壊れております。
消費税が上がる直前にもう1足革靴を買ってしまうのですが、それは別のお話…
試着で大切にしたこと
12万円という高額な買い物、サイズ選びで絶対に失敗はできません。
とにかく、サイズ選びで失敗しないよう鼻息荒く意気込んでおりました。
革靴のサイズ選びにおいてのあるあるとして、試着しているうちにどのサイズが丁度いいのか、だんだん混乱してしまうということがあります。(あるよね?)
「つま先がなんか当たる気がする…?」
「かかとが痛い気がする…?」
一度脳裏をよぎると、そればかり気になってしまう。
そしてサイズを上げてみても、なんか緩い気がする…?
脳内をそんな考えがリフレインし続ける。
こうなってしまったらもうお終いです。
決断することに対して迷いが生じて、買う気力は無くなってしまいます。
そうならないようにするため、絶対に納得できるサイズを選べるように。
見るべきポイントを予め決めておくことにしたのでした。
それが以下の4つ。
1.つま先があたらないこと
ぼくの足は
- 甲が低い
- 細くて長い
- 左足だけハーフサイズ長い
という特徴があります。
そんな形でタイトなサイズを選んでしまうと、”左足のつま先が靴の中で当たる”という現象が起きるんです。
キツ目のサイズを選んでしまって、左親指の爪が内出血を起こしてしまったことも。
健康被害を及ぼすような靴なんて絶対履かない。
買っても意味がないので、ここは特に注意したポイントでした。
2.極端に痛くないこと
JMWESTONは、「万力締め」とか「修行期間」とも呼ばれる、タイトなフィット感で有名です。
履き始めの時期は痛くてしょうがないらしい。
その修行期間を終えた後には、最高のフィッティングが待っているらしいですが、
そこに至るまでに我慢できず、手放してしまう方も非常に多いそうです。
そんなエピソードを見て、「痛いと履かなくなるから、極端なタイトフィッティングは避けたいなぁ」というのがぼくの感想でした。
痛くないけど緩すぎない、丁度いいサイズ感を、店員さんと相談して買おうと考えました。
3.羽が閉じないこと
痛いのが嫌だからといって、ユルユルのサイズを選ぶと残念なことになります。
そのため、試着時に羽の開き方を見るようにしました。
羽というのは、靴紐を通しているココのこと。
緩いサイズを選ぶと、紐をしっかり結んだときにピッタリ閉じてしまって、それ以上紐で縛れなくなってしまいます。
きつくギュッ、と縛れないから、ユルユルのフィット感になってしまうんですね。
そうならないようにするため、試着時の羽の開き具合というのは一つの指標として非常に参考になります。
新品で試着した状態で予め羽の開き具合を見ておくことで、
ある程度沈んで翅が閉じないくらいの具合を選びます。
4.普段履く靴下で試着すること
実は靴下ってサイズ選びで重要なポイント。
厚手なものか、薄手のものかでサイズが1つは変わってしまいます。
普段履いてる靴下で合わせてみて、サイズ感を見るのも重要。
ゴルフは私服でも合わせたかったので、無印良品の少し厚手の靴下で合わせました。
いざ試着
購入する覚悟が決まったなら、試着をしに行きます。
しっかりとフィッティングしたかったので、直営店であるJMweston青山店へ赴きました。
高級革靴店に入店するのは初めてのこと。
それはそれは、指先が緩えるほど緊張したものです。
その外観から、入ることすら躊躇する高級感。
手に取るのも躊躇う、ガラス張りの扉。
入ってからは店内を一周しつつ、「通りがけに入っただけで、見てるだけですよ感〜」を演出。
何年もここへ来ることを願ってたというのに。
素直になれないのがアラサーという生き物です。
店内を1周し終えたくらいで店員に声を掛けられました。
緊張でカスカスの、声にもならない声でゴルフを見にきた旨を伝えたのでした。
まずは足のサイズを測ってもらいます。
専用の台の目盛りに足を乗せて足の長さを測りました。
シューフィッターの方がいるような、しっかりした靴屋さんは必ず足のサイズを測ってもらえます。
プロの方ににサイズを見てもらえるので安心感がありますね。
※このとき靴を脱ぐので靴下が汚かったり穴が空いてるとメチャクチャ恥ずかしいので注意。
足のサイズを測り終えたら、店員さん合いそうなサイズをいくつか持って来てくれます。
そのサイズは、8/Cと8/Dでした。
(/がハーフサイズの表記)
スニーカーで言うと、おおよそ27.5〜28cm相当。デカい。
しかしウィズがC~Dとのことで、やはり足の幅は割と細めみたい。
ちなみに、ZOZOMATで計測した結果は以下です。
今後の余生を共にする、運命のサイズはどちらか…
持って来て頂いたサイズをそれぞれ履いた感想としては…
8/C
ピッタリ、という表現がふさわしいフィット感。
羽の閉じ具合も、このくらいであれば閉じることはないだろうとの店員さんのお墨付き。
気になる点があるとすれば、どうも左足のつま先が当たりそうな感覚があること。
しかし、これは既に自覚していたことで想定済み。
右足は8/の長さだが、左足だけが9相当の長さだったので。
このつま先の不安をどうするかがサイズ選びのキモ。
他のサイズを試着してみるのでした。
8/D
先ほどから横幅だけ1サイズ上げたものを試着。
ウィズが下のものを履いた直後だからか、結構ゆったりしているような印象。
かといって、緩過ぎるわけではなく、これでも全然履けるくらい。
変わったのは横幅だけですが、先ほど感じたつま先が当たりそうな感覚は全くありません。
つま先のアーチにも関係してるんでしょうか。
気になったのは、羽の開き具合。
Cよりも閉じてるように見えます。
また、写真では分かり辛いですが見た目も少しポッテリしているように感じました。
ウィズが1サイズ違うだけで、見た目も結構変わってしまうんですね。
店員さんに聞いたところ、この開き具合は微妙なところだそうな。
大丈夫そうではあるけど、もしかしたら、ってこともあり得るぐらい。
結局悩むことに…
もう一度Cを試着し直してみるが、印象は変わらず。
ただ、軽く歩いてみても思いっきりつま先が当たるわけではないので問題はない…?
でも、もしつま先が当たり出すとまた失敗した自責の念でおかしくなる…
と、ここでサイズ選びの神経質さ勃発。
あれほど心の準備をしていたのに、結局わからなくなるのでした。
これだから革靴のサイズ選びは難しい…
もともと1回の試着で即決しないことは決めていました。
その場は検討する旨伝え、スタコラ退散したのでした…
決意と購入
初めて試着してから、約1ヶ月の間。
その間、試着ときのことを思い返したり、その時の写真を何度も見返したりと、641 ゴルフのことで頭が一杯だった。
忘れもしない、肌をさすような日差しの真夏の日。
そして再び青山の地へ。
以前ほどの緊張感はなく、割とすんなり入店。
同じ店員さんに声をかけて、顔は覚えていてもらえたようでした。
以前履いたサイズを伝えるも、念の為とまたサイズを測ってもらいます。
やっぱりサイズ感は同じで、持ってきてもらったのは8/Cと8/D。
実はこのとき、心はほとんど8/Cに決まっていました。
理由は、写真で未変えいたときの羽の開き具合と、タイト目なフィット感。
革靴は履き込んでいくと馴染むので、店員さんがオススメする程度のタイトさなら問題ないだろうという考えでした。
8/C…
前回感じたような、つま先が当たる感覚は不思議とありませんでした。
日や時間によって足のむくみなど、コンディションが違うのが理由のはず。
こういった要素も考えなきゃいけないので、靴で適切なサイズを選ぶことは本当に難しい。
タイト感は相変わらず感じます。
でも、きつ過ぎるほどでもなく、目立って痛い箇所はない。
羽の開き具合も安心感あり。
8/D…
やっぱり、左足のつま先の安心感はこちらが上。
タイトさも感じず、履いててストレスを感じません。
しかしそのぶん、履き込んだときに緩くなりそうな不安があります。
羽の開き具合も、履き込んでいくと閉じそう…?
神経質おじさんの徘徊…
交互に履き比べて、店員さんに意見を求めつつ、店内をウロウロ。
こんな挙動不審のアラサーにも、嫌な顔せず見守ってくださる店員さんの接客力の高さ。
さすが。
そんなこんなで決断のとき。
ぼくが選んだサイズは。
憧れへの決着と今後
納得できたサイズ選びでした
8/Cに決めました。
決めた心は揺らぎませんでした。
店員さんへサイズ選びの悩みを色々相談して、これなら大丈夫だろうとおっしゃってくれたのも決め手。
クレジットカードを差し出すとき、脳の色んな成分がドバドバ分泌されるのを実感。
このとき、正常な波形の脳波ではありませんでした。
長い間抱いていたJ.M.Westonへの憧れも、ここで一旦決着。
ダラダラと本当に長いこと語ってきましたが、結局は革靴を1足買いました、というだけの話。
しかし、これだけ長文で語っていることで、ゴルフを購入するまでに、ぼくの中でいかに葛藤があったか、というのが伝わったのではないでしょうか。
J.M.Westonは永遠のスタンダード。
その魅力が絶えることはありません。
これからJ.M.Westonの革靴を購入する人はごまんといるはず。
ぼくもゴルフを購入する前には、色んな方のブログを見て参考にさせて頂いたものでした。
この記事が、そんなブログの一つになって、これからJ.M.Westonのゴルフを購入される方の参考になってくれると嬉しいです。
J.M.Weston 641 Golfと今後
革靴は購入するのがゴールではありません。
この後、履き下ろして、手入れして、エイジングして…と楽しみが沢山待っている。
これからワクワクだらけです。
購入してからは、毎日のように靴箱からは取り出して眺めています。
そのたびに愉悦の感情。
その後の様子はまた今後語りたいと思います。
ただ、ゴルフは2019年のベストバイにも選びました。
その時点で、購入後の感想は察してもらえるはず。
今後数十年、これからもどうぞよろしくね。
追記。
修行期間(履き慣らし期間)を終えた感想を記事にしました。