MOTO(モト)のコードバンの革靴を購入|その魅力とお手入れ方法をレビュー
憧れの革、コードバン
革靴好きを自称するぼくとしては、「コードバン」には常に憧れていました。
いわゆる馬のお尻の皮ですが、
"革のダイヤモンド"とまで呼ばれるほど良質で希少な革です。
そして、コードバンを使った革靴で有名なブランドと言えば『ALDEN(オールデン)』。
革靴好きな方なら必ず聞いたことがあるだろうし、憧れを持つブランドの一つ。
しかし、ぼくにとっての初コードバンは『ALDEN』ではなく。
『MOTO(モト)』というレザーブランドの革靴だったんです。
今回は『MOTO』のコードバンシューズの特徴から、お手入れ方法までご紹介しますね。
『MOTO』との出会い
コードバンの靴を買うにあたっての候補はやはり『ALDEN』だったのですが、ネックとなるのはその価格。
形にもよりますが、だいたい1足12万円以上もするくらいの代物。
『ALDEN』の質からすると妥当とも思えますが、単純に金額だけ見ると白目剥いて気を失うほど。
「やはりコードバンを買うのはまだ早いのかな…」とシュンとしつつも、他のコードバンを使っているブランドをネットで漁りまくってたんです。
そこで目に付いたのが、
『MOTO(モト)』というレザーブランド。
これまで知らなかったブランドでしたが、HPや評判を見ているとかなりいい感じ。
革靴だけでなく、革小物も充実しています。
店舗も足の届く範囲にあったので、試着しに行って見ることにしたのが経緯でした。
試着、そして購入
試着したのは、プレーントゥのバーガンディーカラーのコードバン。
バーガンディーっていうカラーがすごく好きなので、コードバンで買うならバーガンディーと決めていました。
こちら試着したときの写真です。
試着した印象としては、
「ちょっとカジュアルだけど、概ね良い感じ。」
即購入はしない主義なので、その場で買いたい檄的な衝動を抑えつつ、店員さんに検討する旨伝え、からがら必死に帰宅。
それから悩み続けること数週間…
消費税が上がる直前のタイミングで購入したのでした。
購入したモデルは試着したときと同じもの。
『CORDOVAN PLAIN TOE OXFORD SHOES #2100』というモデル。
色は勿論バーガンディーです。
『MOTO』を選んだ決め手
『MOTO』に行き着くまでにもちろん色々なブランドをみてきた訳ですが、ここでMOTOを購入した決め手を語っていきます。
価格
決め手その1。
良い品の価格は高いことが多いが、安いこともあります。
MOTOの革靴はまさにそれを体現したような存在。
先述のALDENは12万とかでしたが、MOTOのコードバンはぼくが購入した当時は税抜き6万円台。(残念ながら現在は値上がりしちゃったようですが)
コードバンでこの価格は驚き。
それだけでなく、グッドイヤーウェルト製法というしっかりした製法でクオリティも保証されています。
店員さんも仰っていたんですが、MOTOの革靴は皆さん安いと驚かれるそう。
『ALDEN』のような海外の革靴は関税などの関係もあるので、そこは日本のブランドの強み。
しかし『MOTO』はコードバンを作っている他の日本ブランドと比較しても、自分が調べた中ではズバぬけて安かったんですよね。
コスパという面では圧倒的だと感じます。
コードバンらしからぬマットな質感
決め手その2。
冒頭話した通り、コードバンは特有の光沢があります。
これが革のダイヤモンドと呼ばれる所以なんでしょう。
ピッカピカな光沢も好きなんですけども、個人的にちょっとだけキザっぽいかなぁ、と思っておりました。
コーディネートで合わせるときにカジュアルなスタイルだとちょっと浮いてしまいそう、という理由もあります。
手入れ次第ではマットにすることも出来るかもしれませんが、「もともとマットだったらいいかもなぁ」と考えてたんです。
そして、MOTOはこの要望を満たしてくれるものでした。
購入したばかりの画像で、見てわかる通りマットな質感。
MOTOのコードバンはグレージングという艶を出す工程を省いているそうで、このマット感を表現しているとのこと。
でも、それだともし今後光沢を出したくなったとき困るんじゃないか、とも思われるかもしれませんがそこは心配不要。『MOTO』のお店にお願いすれば、光沢を出せるような加工をしてくれるそうです。(一旦靴を預ける形にはなりますけども)
その時の気分によって質感を楽しめるのは、『MOTO』のコードバンならではですね。
履き皺が元々入っている
決め手その3。
革靴を履くうえで自分が気にするポイントの一つが、履き皺。
靴は履いてると足を前に踏み込んだタイミングで曲がります。
革靴はその際に必ず皺ができちゃうんです。
新しい革靴を買って、最初の一歩を踏み込んだ時に変な皺が入ってしまうと、滅茶苦茶にテンションが下がります。
特に革靴は長く付き合うものだし、神経質男子にとっては死活問題です。(この皺が気に入らなくて革靴を手放してしまったことも…)
革靴に興味無い人からすればなかなか理解してもらえなさそうな拘りかもしれませんが、好きな人からすると意外と見てるところなんですよ。
人によってはボールペンなどを使って、綺麗なシワになるように工夫したりするほど。
そしてコードバンの革の大きな特徴の一つに、波打ったような履き皺ができます。
これもコードバンを買おうと思った大きな理由の一つです。
そして、MOTOの革靴は履き皺を表現したようなウネリが最初から入ってるんです。
これは他のブランドにはない特徴で、まじで初めて見ました。
甲のところがちょっとボコボコとなってますが、まだ一度も履いてない状態でこうなってます。実際に履いたときもこのウネリに沿って皺が作られるので、変な履きジワになることが無いです。
店員さんに伺ったところ、「安心して履いてもらえるように」こういった仕様になっているとのこと。
自分で履き皺を入れたいと言う人には微妙なポイントかもしれませんが、自分にとっては明確なメリットでした。これまで履き皺で失敗してストレスを感じることが多かったので、そのストレスが無いというのが本当に嬉しかったです。
他のコードバンに比べてお手入れが楽
決め手その4。
コードバンは特別な革であるゆえ、お手入れにも気を遣う必要があります。
専用のクリームなどのお手入れグッズも販売されているほど。
扱いもかなりデリケートで、特に水に濡れたりは厳禁。雨なんて以ての外で、「ガシガシ履く」というのがなかなか難しい、結構気を遣う革なんですね。
しかし、その点MOTOは多少の雨であれば大丈夫と公式で謳っています。
加えて推奨されるお手入れはクリームだけというお手軽さ。コードバン初心者にも嬉しいですね。(詳しいお手入れ方法については後述します)
『MOTO』コードバンのお手入れ方法
この革靴はきっと、今後何年も付き合っていくことになる相棒。そのためにはお手入れが必要です。
購入する際、直営店の店員さんからお手入れ方法を詳しく教えて頂けたので、ここで共有しておきたいと思います。
ソールにラバーを貼る
『MOTO』ではレザーソールが採用されていますが、ソールにラバーを貼ることをオススメされていました。
レザーソールには「靴が蒸れにくい」「見た目がオシャレ」といったメリットはあるんですが、
- 滑りやすい
- 摩耗しやすい
といったデメリットもあるので、どっちを優先したいかによります。
ただ『MOTO』ではラバー推奨とのこと。
ぼくもアドバイスに従ってラバーを貼りました。
まぁ元々ラバーソール派だったので悩まず済みました。
価格はお願いする店にもよりますが、おおよそ¥3,000程度。
転けて怪我したり靴に傷が入ってしまう危険性を考えると、ぼくは安いと感じますね。
そして、ぼくの場合はラバーだけでなく、更にスチールトゥを付けて強度アップしてます。
つま先は履き込んでいると意外に早く削れるので、「気付いたときには修理が必要」なんてことがよくあります。
そこでスチールトゥを付けることで耐久性は一層アップ。1回付けてしまえば、次にソールを丸ごと修理(オールソール)するまでくらいは保ってくれるらしい。
スチールトゥは、店舗にもよりますが大体¥5,000くらい。初期費用はかかってしまいますが、つま先を気にしなくていいという精神的負担を軽くする意味でも高くない投資だと思ってます。
保湿は『コロニル 1909クリームDX』だけ
革は放置しておくと乾燥して劣化してしまうので、保湿は必須です。
『MOTO』のコードバンシューズではコロニルの1909シュプリームクリームデラックスがおすすめとのこと。
というか、これを塗るだけで良いそうな。
メチャクチャ楽ちんですね。
ぼくは元々このクリームを愛用していたので、新しく購入したりせず済みました。
このクリームは超使い勝手良いしクオリティも確かなので、1個は持っておくと良いですよ。
防水スプレーは『コロニル ウォーターストップ』
『MOTO』のコードバンは、先述したように「多少の雨は大丈夫」とのことですが、事前に防水スプレーで対策できるならしておくに越したことはないですね。
防水スプレーに関してはコロニルのウォーターストップが良いとのことでした。
なお、シリコンを使っていないものならどのメーカーでも良いらしいです。
シューキーパーは『Briga』
革靴の反りや皺を伸ばす役割の「シューキーパー」も是非使いたいところ。
ただし、サイズや形が合っていないと意味ないのでしっかりしたものを選ぶ必要があります。
今回ぼくが購入した靴の形だと『Briga』(ブリガ)のオックスフォードタイプがおすすめらしいです。
「ブランドでオススメしているものなら間違いない」ということでぼくはこちらを素直に購入。
『MOTO』の革靴サイズは2で、シューキーパーはLサイズで良さそうでした。
まとめ:革靴と過ごす人生
良い革靴を1足買うということは、
同時に”年齢を重ねる楽しみが一つ増える”ってことだと思っています。
大人になって年をとることに喜びを感じられなくなりましたが、革靴はその逆で時間を重ねることでその魅力を増していってくれますからね。
そして、この『MOTO』コードバンシューズもその楽しみの一つになってくれるはず。
長い人生、これからこの靴と楽しみながら歩いていこうと思います。